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梅田 享英*; 石塚 雄也*; 磯谷 順一*; 森下 憲雄; 大島 武; 神谷 富裕
Materials Science Forum, 457-460, p.465 - 468, 2004/10
p型及びn型六方晶炭化ケイ素(4-SiC)中のシリコンアンチサイト欠陥を電子常磁性共鳴(EPR)及び電子・核二重共鳴(ENDOR)により調べた。シリコンアンチサイトは4-SiCへ800Cで電子線照射(3MeV, 410/cm)を行うことで導入した。これまで正に帯電したシリコンアンチサイトのみが報告されていたが、本研究では負に帯電したシリコンアンチサイトを発見した。Si超微細相互作用よりシリコンアンチサイトの構造緩和を詳細に調べたので報告する。
Laube, M.*; Pensl, G.*; Lee, K. K.; 大島 武
Materials Science Forum, 457-460, p.1381 - 1384, 2004/10
六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のチャンネル内の電気特性とゲート酸化膜作製方法の関係をHall測定により調べた。その結果、水蒸気酸化により作製したMOSFETに比べ、乾燥酸素及び酸化後アルゴン中アニール処理したMOSFETの方がトランジスタ特性から見積もったキャリア移動度が高いにもかかわらず、Hall測定より見積もったキャリアの移動度は両者ともに60cm/Vsと同程度であることが明らかとなった。さらに、しきい値電圧の温度依存性から界面準位の発生量を見積もったところ、水蒸気酸化したMOSFETの方が2倍多く発生していることが見いだされた。このことより、チャンネルに流れるキャリアの真の移動度は酸化膜作製方法によらず同じであるが、界面準位の発生によりキャリアがトラップされるためにトランジスタ特性により求めたキャリア移動度が小さく見積もられることが明らかとなった。
前川 雅樹; 河裾 厚男; 吉川 正人; 一宮 彪彦
Materials Science Forum, 457-460(Part2), p.1301 - 1304, 2004/06
熱酸化法によって作製された4H-SiC MOS構造のSiO/SiC層を陽電子消滅法を用いて評価した。消滅線のドップラー広がり(Sパラメータ)を入射陽電子エネルギーとゲートバイアスの関数として測定すると、負のゲートバイアスを印加した場合Sパラメータの顕著な増加が観察された。これはSiC領域に注入された陽電子がMOS内部に発生した電界によって界面方向に移動し界面準位の影響を受けSパラメータが上昇したものと考えられる。MOSへ紫外線を照射しながらSパラメータを測定すると、界面付近に発生した電荷が準位を充電し、欠陥への捕獲効率が変化しSパラメータが減少した。ここから準位の放電を比較的ゆっくりと行うとSパラメータの回復が見られる。界面準位密度の高いドライ酸化法を用いて作製した試料では、このような準位の充放電は紫外線を照射せずともSパラメータの変化として捉えることができた。Sパラメータ変化に影響を与える界面準位はMOS内部の電場の変化に遅れて充放電することから、これらは深いエネルギー準位にまで存在することが示唆された。
大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Materials Science Forum, 457-460(Part2), p.1405 - 1408, 2004/06
(001)立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)ホモエピタキシャル膜上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の電気特性とチャンネル方向([-110]方向に垂直,水平)の関係を調べた。その結果、両方のMOSFETともにしきい値電圧は-0.5V、チャンネル移動度は215から230cm/Vsと同様であることが見いだされた。このチャンネル移動度の値はこれまでに六方晶SiCでは達成されていない優れた値である。サブシュレショールド領域でのドレイン電流の値を調べたところ、[-110]に垂直のMOSFETは10Aオーダーであるのに対し、[-110]に平行なMOSFETは10Aオーダーと二桁も高いことが明らかとなった。これは、3C-SiC基板を[-110]方向にアンジュレーションをつけたSi基板にエピタキシャル成長するが、成長後にもその際の欠陥が残留し、伝導に影響するため[-110]に沿うように電流が流れる場合はリークが大きくなるためと考えられる。